How to PRESENT


 学生さん向けに、各種学会および会議、委員会、学内の院輪講等の中で学んだ、「より良いプレゼンテーションの仕方」をまとめます。
 これを読んだ方が、研究室内のゼミにおける発表や、各学会において、「よりエレガントな発表」をするための参考にして頂ければ幸いです。

 また、このファイルは研究室共有の財産として、新たに気付いたことがある人達によって書き足されていくことを希望します。


<< 目次 >>

<< 発表の種類 >>
 学生の分際で、シンポジウム等で長い時間の講演をすることはまずないと思いますので、発表する方法として可能性があるのは
の2つに限られると思われます。

 まずポスターセッションは一番楽といえば楽、辛いといえば辛い発表方法です。 縦2m×横1m程度の掲示板に壁新聞の要領で掲示して発表します。 プリンターから打ち出した紙を、青や赤の色画用紙に張り付けて掲示すると、高級感(?)が出ます。近年は大型プリンターを駆使して大型ポスターを作成するのが主流ですので、その作成方法も別に述べます。

    
 すべてのプレゼンテーションについて言えることですが、一枚の図なりグラフなりを見て、 素人にもすぐに分かるような絵を作ることが大切です。
 「楽」というのは、ポスターセッションの場合はいわゆる「発表」が無い、もしくは、 1演題につき、紹介として口頭での発表時間が3分とか短い場合が多いからです。 そのため、その場しのぎという面では、取りあえず5分程度頑張ればいいわけですから、楽といえば楽です。
 「辛い」というのは、その後で興味を持った人に質問を受けた場合、時間の制約がありませんので その人が納得するまで、何度でも、どこまでも質問攻撃が加えられるからです。 また、別の時間に同じ質問を違う人にされる場合もあり、 マシーンのように同じ説明を繰り返さなければいけないハメにあうことも多々あります。 PPT等による発表の場合は、自分の発表が終わったら逃げ帰っちゃうこともできますが ポスターの場合は短くて数時間、普通は半日、長ければ会期中張り出しておかなければならないので それだけ質問攻撃を受ける危険性が増すわけです。
 発表内容について完璧に理解してあれば何てことはないのですが 知識の浅い4年生などには相当辛いでしょう。

 PPTを使った発表が一番ポピュラーで、研究室ゼミ、卒論発表会などもPPTを使って行われます。
 発表時間は発表15分、質疑応答10分、入れ替え2分(電気学会マグネティックス研究会)、とか、 発表10分、質疑応答5分(応用物理学会)など、ポスターセッションのショートプレゼンテーションに比べればやや長めです。
 PPTを使用したプレゼンテーションのコツについては後述します。

 PPTによる発表では、講演前の休み時間などに、予め会場のPCにPPTデータファイルをインストールして、文字化け等がないかチェックしておきます。PPTファイルはUSBメモリーに入れて持って行くと便利です。会場に係員がいれば、お願いしましょう。ME学会など医学系の発表では、演者には演台が用意されていて、手元には明りがあるので、原稿を読みながら発表することが可能です。工学系に比べて言い間違いが生死に関わるからでしょう。
 PPTを使用した発表では、講演時間に応じて1ページ1分が目安です。枚数が多くなると聴衆に理解されにくくなります。但し、最後の質疑応答対策に絵を用意しておくことが肝要です。 また、何枚か前のページに戻るのは煩わしいので、絵の使い回しをするよりコピペで新しいページを設けましょう。


<< PPTを使用したプレゼンテーションのコツ >>
 ここでは、最も使用される機会が多い、PPTによるプレゼンテーションのコツを幾つか書きます。

 最も重要なことは大きな声で話すことです。聞こえない発表は最悪です。

 まず服装ですが(え?そんなことまで書くの??)、研究室ゼミではどんな格好でも構いませんが、 卒論発表会や学会ではジーンズは結構恥ずかしいです。例え聴講に行くだけであっても、スーツで行くことをオススメします。

 さて、学生による発表で良く見かけますが、 なるべくお客さんの方を向いてお話しましょう。また、左図「悪」のような位置に立つと、自分の影でスクリーンを塞ぐことがあるので注意しましょう。スクリーンを指すときは、指示棒またはレーザーポインターを使います。指示棒では直接、スクリーンに触れないこと。たまにバンバンたたく人がいますが、うるさいのはもちろん下品ですし、 スクリーンが揺れて見づらくなります。指示棒を使うときは、右図「良」の位置に、聴衆に背中を向けないようにして立ちましょう。最近ではレーザーポインターを用いた発表が主流です。レーザーは低出力でも直接目に入れると失明の危険があるので聴衆の方に向けてはいけません。スクリーンの一部を指すのに使用しますが、やたらに動かさないように注意しましょう。お客さんに見て頂きたい場所と自分が見ている場所は異なります。スクリーンの文字を読む場合は、レーザーポインターで文字を追うのではなく、その行の頭にポインターを固定した方がエレガントです。また、グルグル円を描くような動きが重なるとウザイです。

 発表原稿は持たずに視線を上げて、会場の中程以後を見るようにしてゆっくりと話すと、 なんかとっても自信ありげに見えてスマートです(例え発表内容がうさんくさくても・・・)。

 まず初心者は原稿を書きなさい。そして原稿を覚えなさい。どのページで何をしゃべるかを完璧に覚える必要があります。応用物理学会のように10分の講演時間なら、10分から10分半の間に終えるような分量に原稿を改定します。実際の講演では早口になり勝ちですから、ペースを守った口調で時間に過不足が生じないように何度も発表練習をします。そのためには逆順で発表練習をすることも一つの手段で、「あ、このシートではこういう内容を話すのね」ということを思い出せるようにしておきます。例えばプロジェクターにトラブルがあった時に途中から再開しなければならないような時、役に立ちます。講演には予鈴といって終了5分前とか3分前にベルがなりますが、まちまちです。10分の講演なら5分の折り返し地点でどのページであるべきかを把握して、時計を見ながら巻いたり延ばしたり時間を調整出来る余裕があれば一人前です。PPTの下にあるコメント欄に台詞を書いておくと後輩に親切です。

 会場によってはスクリーンの位置が低い場合、後ろの聴衆から下の方は見えません。 重要なことは上2/3に書きましょう。また、ページを進める時、たった5秒の沈黙でも、真面目に聞いている人にとっては嫌なもんです。 「次に実験装置の説明をします。」とか (前に理論式を出した後に)「この式に基づいて解析を行いました。」とか 一言つけるだけで、発表の流れを切ることなく進めることができます。

 アニメーションは限度モノです。必要最小限に留めましょう。次に進もうとして言い忘れに気がつくのは格好悪いし、後で質疑応用の時に、戻るのに時間がかかります。

 ページは極力前後しないようにしましょう。結果のグラフを説明するときに「先程の式を用いて・・・」とかいって 理論のページに戻る人もいますが、これはグラフの下にもう一度同じ式を書いておけばすむことです。
 また、2枚のページを行ったり来たりするのも良くありません。(例えば、理論式によるグラフに「これに測定値を重ねますと・・・」 みたいにアニメーションを活用すると、結構インパクトがあったりすることもある。)


<< PPTの構成 >>


大きな字を使いましょう。小さいフォントでは読めません。

1)表題
 1ページ目には、演題、著者、所属等を表記するのはもちろん、 発表の手順を簡単な目次のようにして表記しておくと、 聴衆にたいして非常に親切です。また「学会名、日時、場所、講演番号」もお忘れなく。

2)研究背景、目的
 ここはさらっと流したい気もしますが、 実は発表の内容をより分かってもらうために 非常に大切な部分です。 とかく、文字ばっかりになりがちですが、 フローチャート、箇条書等にして一目で分かるようにしたほうがベターです。
 また、キーワードとなる大切な言葉は、色やサイズを変えたり、 太字、アンダーラインにするなどして強調しておいた方がよいでしょう。

3)メイン
 実験研究におけるメインの部分は大抵、理論、実験(解析)方法、結果、考察、のような順番で構成されます。 どのページも、見出しをつけ、絵を見ただけで何をいいたいのかが分かるようなに作りましょう。 理論式内の変数の意味、実験装置のスペック(性能、寸法、規格等々・・・)などは必須事項です。
 また、結果の表やグラフは、発表の主役です。 どういう条件で測定(計算)された結果が、どういうまとめ方をされているのか、 値の単位や誤差範囲などの記述も必要です。 特にグラフは、縦軸、横軸には何の値をとっているのか、単位は、 データが複数種プロットしてある場合は、どの線(点)が何を表しているのか、 など極力見やすくする配慮が必要です。
 カラーを使用する場合には3色程度に抑えたほうが見やすいと思います。 PCで見るのと実際にスクリーンでは輝度が違いますので、特に緑色の使用には注意して下さい。それよりも、実線、破線、一点破線、あるいは、マーカーの種類を変えたほうが見やすいですね。また、必要である場合には理論値も一緒に示したほうがよいでしょう。カーブが数本あって図中に説明がある場合は上下関係を合わせておくと分かりやすいです。例えば、3本のカーブが上から赤丸、青四角、黄色三角でマークされていて、それらのパラメータを図に示すときは上からその順で書いたほうが聴衆にとって対応させやすいです。

4)まとめ
 まとめのページはただ結果を羅列するよりも、 「これこれこういう条件で実験(解析)を行いました。 その結果こういうことが分かりました・・・(箇条書き)」 みたいにしたほうが良いと思います。 また、大切な数値やキーワードは太字、アンダーライン等で強調しましょう。今後の研究計画や展望は時間調整として使えます。

 また、各ページの隅に小さく「3/15」の様にページ数を書いておくと、とても親切です。 時間が決められているとはいえ、終わりの見えない話が続くと聴衆は疲れます。また、時間超過ではは座長が心配します。さらに「7ページの図について質問があります」など、貴重な時間を有効に使えます。


<< 質疑応答 >>
 発表が終わると座長が「質問、コメントはありませんか?」と言い、質疑応答の時間になります。聴衆による質問、無い場合でも座長から質問、コメント等が必ずあります。
 説明を省略した部分、さらに細かい説明を必要とする部分など、質問が予想できる部分では、予め別にページを作って対策を練っておきましょう。 また最低限、式の導き方、使用した定数、実験装置、結果のまとめ方などは完璧に説明できるようにしておかないと、 さらに変化球を投げられたときに冷や汗をかくことになります。 痛いところを突っ込まれて、聴衆の前で冷や汗をかいて言葉に詰まって固まる・・・う〜、考えたくないですが、まま、見受けます!
 また、しっかりとポイントを抑えた発表でないと、誤解した人から突拍子もない質問を受けて 説明に困ることもあります。 質疑応答では原稿もありませんし、どういった質問が出てくるかも分かりませんので、 ついつい緊張して早口になりがちです。小学生に教えるように ゆっくりと説明したほうが、自信あり気です。演者が「先生」なのですから、自信を持って答えましょう。
 「分かりません」は絶対に言ってはいけません。(最先端の研究でも分かっていませんは可です) 分からないことがあるのは、ちゃんと予習をしてないからです。 唯一、結果について突っ込まれたときのみ、「現在検討中です。」という言葉を使って逃げることができます。
 また質問だけでなく、「指摘、批判」などいわゆるコメントも少なからずあります。 この場合は、明らかな反論がある場合にはちゃんと説明し、 それ以外は「改めて検討してみます、貴重なご意見ありがとうございました。」とでも言って逃げましょう。

司会者が「それでは時間が来ましたので・・・」と言ったら、やっとおしまいです。 笑顔で聴衆に一礼して、次の発表の妨げにならないように さっさと席に戻りましょう。
 お疲れさま・で・し・た!


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Written by T. S.
Reviced by I. Y.
2007.11.01